びえんと《冤罪を生む仏様顔の取り調べ》~湖東記念病院事件に見る虚偽自白の恐怖~文・井上脩身

西山美香さん(ウィキペディアより)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で入院中の患者を殺害したとされた元看護助手の再審裁判で3月31日、大津地裁は無罪を言い渡した。この再審裁判で明らかになったのは、元看護助手の心の動揺に乗じ、捜査員を信頼させて迎合自白を取る手口だ。元看護助手の西山美香さんが取り調べ刑事を好きになって行ったウソの自白が、原審で有罪の決め手にされてしまったのだ。狭山事件では、犯人とされた石川一雄さん(仮出所中)が、信頼する巡査部長にほだされて、やはりウソの自白をしている。憲法は拷問や強制による自白は証拠と認めないと規定している。しかし、取り調べに際してこうした強面法とは逆の、みせかけ温情法もまた冤罪の元なのである。 “びえんと《冤罪を生む仏様顔の取り調べ》~湖東記念病院事件に見る虚偽自白の恐怖~文・井上脩身” の続きを読む