秋の夜長に聞く話《秋の夜長に飲む酒は・・・》片山通夫

月見の宴

何となく昔から秋の夜長を過ごすにはお酒が恋しいと思う。これと言った理由はないのだが「春はたそがれ時に」、「夏はギンギンに冷やしたビール、そしてそのあと酒ロック」、「冬は熱燗でおでん」とまるで絵にかいたようなステレオ・・・。我ながら書いていて恥ずかしい。
さて本題の「秋」だが、月を愛でながらとか、ススキを枯れ尾花と言って見たりとか、そんな風流な気持ちは悲しいかな、持ち合わせていない。

それではと「秋に飲む酒」は何かとネットで探してみた。
最も多く掲載されているのはやはり日本酒。「月見酒で秋の夜長に日本酒を楽しむ」と月を愛でながらというパターン。こんな時のためかどうか知らないが「ひやおろし」という日本酒がある。この酒は、貯蔵するときにのみ火入れをし、2回目の火入れを行なわない、この「ひや」と呼ばれる状態で貯蔵し、秋になって卸されるため、「ひやおろし」と呼ばれているとか。かつては酒を貯蔵している蔵と外気が同じ気温になってから出荷されていたが最近は9月に入って出荷されるようだ。おかげで「中秋の名月」に間に合う。