連載コラム・日本の島できごと事典 その40《保健婦初子の像 》渡辺幸重

 

「保健婦初子の像」 ブログ「 犬飼ライダーズすて~しょん」より

四国の南西部、足摺岬(あしずりみさき)の西約42kmに沖の島があります。島の斜面に数百年にわたって石を積んで作られた段々畑の風景で知られ、その島に「保健婦初子の像」が建てられています。これは、1949年(昭和24年)から20年以上ただ1人の島の保健婦として勤務し、乳幼児死亡率の減少や風土病フィラリア(象皮病)の撲滅に貢献した荒木初子を顕彰したものです。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その40《保健婦初子の像 》渡辺幸重” の続きを読む

読切連載アカンタレ勘太10-2《ラインダンス》 文・画 いのしゅうじ

勝のいかりがおさまらない。
「勘太がかわいそうやないか」
「ぼく、気にしてへん」
勘太はいつものようにもぞもぞという。
「勝のタイガース好きにはびっくりや」
隆三は勝のきげんをとるように言った。 “読切連載アカンタレ勘太10-2《ラインダンス》 文・画 いのしゅうじ” の続きを読む

読切連載アカンタレ勘太10-1 《阪神巨人どうま戦》 文・画 いのしゅうじ

阪神巨人どうま戦

 テッちゃんと勝がけんかをしている。
3年生になって、新しい教室に入るなり、テッちゃんが、
「巨人の川上や」
と、けしょうまわしを机に広げたのがきっかけだ。 “読切連載アカンタレ勘太10-1 《阪神巨人どうま戦》 文・画 いのしゅうじ” の続きを読む

コラム・とりとめのない話《普通》中川眞須良

「普通」

一匹の蟻の歩行を観察していると握りこぶし大の石の壁に行く手を遮られると、その行き先(進路)は三択である。それは 左折、右折、又はUターン。なかには極稀に一瞬立ち止まってからゆっくりとその石をよじ登り、直進に拘る蟻もいる。となれば四択ということになるのか。 “コラム・とりとめのない話《普通》中川眞須良” の続きを読む

秋の夜長に聞く話《中秋の名月》片山通夫

 中秋とは、東アジアの伝統的な行事のひとつで、旧暦の8月15日に行われる。グレゴリオ暦では9月または10月にあたる。今年2021年は今宵9月21日。この日、月は満月となり秋の涼やかな空気を通して月を愛でる。名月である。各国の行事を探してみた。 “秋の夜長に聞く話《中秋の名月》片山通夫” の続きを読む

編集長が行く《広島原爆の日に西宮大空襲 002》文・写真 Lapiz編集長 井上脩身

置き去りの空襲被災者

国は1953年、恩給法の改正で旧軍人に対する恩給制度を復活させ、普通恩給(本人に対する給付)、扶助料(遺族への給付)の支給をはじめた。さらに「戦傷病者、戦没者遺族等援護法」を制定、軍属、準軍属や遺族、戦傷病者にも給付対象とすることになった。しかし、戦災に遭った普通の市民やその遺族は何らの援護の対象にもならず、何の補償も受けられなかった。「国土防衛の戦士」とされながら、民間の空襲被害者は置き去りにされたのである。(写真) “編集長が行く《広島原爆の日に西宮大空襲 002》文・写真 Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む

編集長が行く《広島原爆の日に西宮大空襲 001》文・写真 Lapiz編集長 井上脩身

空襲を受けた地域を示す西宮市の地図(ウィキベテアより)

被災者に一切救済ない戦後
 広島に原爆が落とされた1945年8月6日、兵庫県西宮市南部が空爆され、その被災者の一人が大阪空襲訴訟の原告になっていたことを最近知った。同訴訟は「空襲の被害を受けたのは国に責任がある」として、被災者や遺族23人が2008年に訴えを提起。大阪訴訟に先立って07年に提訴された東京空襲訴訟の上告審で、最高裁は13年、「立法を通じて解決すべき問題」と判示し原告側を退けた。 “編集長が行く《広島原爆の日に西宮大空襲 001》文・写真 Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む