Cover Story 《中野 修さん》 中川眞須良(写真も)

中野 修(ナカノ オサム)さん 78才

苦労話をお聞かせください。
苦よりも楽の思い出ばかりです。
特に1961年、ほぼ一年間無給で高野山に住み込み各自寺院に納める特殊な紋入り畳の製作作業(数人による合宿)に参加したことは素晴らしい思い出です。

仕事に対するモットーは?
もちろん、「きっちり」、そして「ながーいお付き合い」でしょうね。ご存じのように今の時代、日本間(和室)が減ってしまって・・・。
同時に「畳にこだわる」お客様がすっかり減ってしまいました。 かつてのように手縫いはもちろん框機(框を縫う機械)、逢着機(畳の縁を縫い付ける機械)が忙しく稼動する時代はすでに終わってしまったのかもしれません。しかし私が元気なうちは古くからのお得意様のためにもこれらの機械はすぐ稼働できるようにしています。これが私の残された仕事だと思って。
しかし岡山産の藺草(いぐさ)も少なくなってきました。

堺市在住 中野畳店 二代目店主(現在3代目)
初代創業 1928年
職業訓練指導員
1級技能検定合格
1級畳製作作業者認定
全日本畳事業協同組合大阪府支部監査役の一人

 

中川 眞須良 (なかがわ ますら)
1945年兵庫県淡路島生まれ。モノクロ写真を続けて45年。ますますその深みにはまりもがく日々を過ごす。