百鬼夜行夜話 007「平安時代という切り口」片山通夫

源氏物語

平安時代というと、平安文学ともいえる作品が多数ある。いわゆる王朝文学であり優雅な貴族社会が描かれている。遣唐使による大陸からの文化に加えて日本独自の文化が花開きいわゆる寝殿造りという池や広い庭があるとてつもなく優雅な生活だったことがうかがえる。

竪穴式住居 出雲

しかしそれとはかけ離れていた庶民の暮らしがあった。少しその時代の庶民の生活を覗いてみよう。住居は竪穴式住居、または一般家屋だったようで、食事も律令制によって租税として米が徴収されていたため、庶民の手元に残るお米は少なく、基本的にはヒエやアワなどの雑穀をお粥のような状態にして食べていたと考えられる。(この項続く)

 

参考:王朝文学 コトバンクから。

初期には空海や菅原道真を頂点とする漢詩文が盛んであったが、仮名の発達と仮名文の普及は女性に自由な自己表現の方法をもたらし、紫式部・清少納言を代表とする宮廷女流文学全盛の時代を迎えた。和歌は歌合の盛行や古今集以下の勅撰集撰進と相まって一〇世紀以降の隆盛を迎え、これに並行して物語も、伊勢物語・大和物語などの歌物語、竹取物語・宇津保物語・源氏物語・狭衣物語などの仮作(つくり)物語、栄花物語・大鏡などの歴史物語が作られ、また、土左日記・蜻蛉日記・更級日記などの日記文学、随筆文学の枕草子などが書かれ、「もののあわれ」を主潮とする優雅な美的世界と深い人間観照の世界を展開した。末期には今昔物語集などの説話文学が、文学の世界を貴族以外にまで広げ、新興歌謡の今様も梁塵秘抄に結集された。