編集長が行く《北海道・礼文島 02》Lapiz編集長井上脩身(文・写真共)

浸食がつくる穂高の島

『花の島に暮らす——北海道礼文島12カ月』(北海道新聞社)

 旅を終えて帰ってから知ったことだが、植物写真家でエッセイストの杣田美野里さんが1992年、36歳のとき東京から一家で礼文島に移住、2006年に『花の島に暮らす——北海道礼文島12カ月』(北海道新聞社)を著していたことを知った。

 同書によると、自然写真家の夫、生まれて3カ月の娘とともに礼文島にわたった。同書は、写真を中心に、エッセーを交えて四季折々の島の情景を表したもので、礼文島の風物詩が抒情的にえがき出されている。タイトルの通り、花々の写真を中心に構成されているが、私が注目したのは猫岩が写っている2点の写真だ。一つは海辺から捉え、もう一点は高台から写している。 “編集長が行く《北海道・礼文島 02》Lapiz編集長井上脩身(文・写真共)” の続きを読む