百鬼夜行夜話 019「鵺の鳴く夜は恐ろしい 03」片山通夫

源頼政 鵺退治の図

『平家物語・巻4・鵺の事』によると、源頼政は二度鵺退治をしている。
一度目は近衛天皇在位の時、毎夜、丑刻(午前二時頃)になると東三条の森の方から、黒雲が沸き立って御所を覆い、鳥の鳴くような奇妙な声がして天皇を悩ませていた。 “百鬼夜行夜話 019「鵺の鳴く夜は恐ろしい 03」片山通夫” の続きを読む

百鬼夜行夜話 018「鵺の鳴く夜は恐ろしい 02」片山通夫

京都二条城の北側にある鵺池。頼政が鵺を退治した時にその矢じりを洗った。

ひょうひょうと深夜に鳴く鵺は天皇を悩ませた。そこで時の天皇は源頼政に銘じて二度鵺退治をしていた。一度目は近衛天皇の時、毎夜、丑刻になると東三条の森の方から、
黒雲が沸き立って御所を覆い、鳥の鳴くような奇妙な声が。 “百鬼夜行夜話 018「鵺の鳴く夜は恐ろしい 02」片山通夫” の続きを読む

百鬼夜行夜話 017「鵺の鳴く夜は恐ろしい」片山通夫

「京都 鵺 大尾」(「木曽街道六十九次」の内、歌川国芳画

 

横溝正史という作家がいた。金田一耕助という名探偵が活躍するおどろおどろしい探偵物語だ。その彼の小説に悪霊島という小説がある。詳しい内容はリンクを貼ってあるので参照していただきたい。その悪霊島の小説に「鵺の鳴く夜は恐ろしい」という部分が出てくる。
鵺(ぬえ)とは平家物語』などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇。文献によっては胴体については何も書かれなかったり、胴が虎で描かれることもある。 “百鬼夜行夜話 017「鵺の鳴く夜は恐ろしい」片山通夫” の続きを読む

百鬼夜行夜話 016「祟りの時代 平安京 02」片山通夫

当然ながら平安時代に蔓延った怨霊、鬼、悪霊などの祟りのもととなるものどもは ,現在のように明るい夜ではなく真っ暗な夜に都大路を跋扈した。つまり魑魅魍魎が跋扈できるほど、京の都は現在のように華やかなところではなく御所とその周辺以外は真っ暗な町だった。 すでに書いたように、六道の辻の子育て幽霊や大江山の酒呑童子など平安京の夜をわがもの顔で歩く者どもほど、当時の天皇をはじめ人々を恐れさせたものはいなかった。そんな人々が頼みにしたのは陰陽師であった。中でも有名なのは、安倍晴明だった。 “百鬼夜行夜話 016「祟りの時代 平安京 02」片山通夫” の続きを読む

百鬼夜行夜話 015「祟りの時代 平安京」片山通夫

風水都市京都 
―桓武天皇が恐れたもの―
奈良時代末期、政争が続き、あたかもその犠牲となった者たちの祟りでもあるかのように、天災が相次いだ。そんな中で即位した桓武天皇は、すべてを一新してやり直すために、新都の建設を決める。その都は、今の京都の南西に位置する長岡京だった。

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「百鬼夜行夜話 014」片山通夫

一条戻り橋

話は京都へ戻る。いささか百鬼や妖怪とは違うが結構有名なのが一条戻り橋のエピソード。

簡単にそのエピソードをウイキペディアから紹介したい。

「戻橋」という名前の由来については『撰集抄』巻七で、延喜18年(918年)12月に漢学者三善清行の葬列がこの橋を通った際、父の死を聞いて急ぎ帰ってきた熊野で修行中の子浄蔵が棺にすがって祈ると、清行が雷鳴とともに一時生き返り、父子が抱き合ったという。 “「百鬼夜行夜話 014」片山通夫” の続きを読む

百鬼夜行夜話 013「九尾の狐 余話」片山通夫


「九尾の狐」は落語界にも進出している。
落語 九尾の狐
★あらすじ 白面金毛九尾の狐は、中国殷王朝では美女、妲己に化けて国を傾け、その後の諸王朝でも帝王をたぶらかし、唐より帰朝する吉備真備の船に若藻という少女に化けて乗り込み日本に渡って来た。それから四百年近くの歳月が流れる。

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百鬼夜行夜話

「百鬼夜行夜話」の舞台は京都・平安京に戻り「一条戻り橋」のエピソードから、戻り橋の近所にある神社にまつわるお話に移ります。

お楽しみに。

百鬼夜行夜話 012「九尾の狐 05」片山通夫

九尾の狐

さすがの妖狐も神鏡の威光に恐れをなしおとなしくなった。しかし妖狐もさるもので十数年後には復活し、悪事を重ねるようになった。そこで朝廷は安倍泰親らを那須野が原へ遣わして妖狐退治を命じた。、那須野が原に着いた泰親のは祈祷を行った。その時、天が俄にかき曇り、天地は鳴り動き、稲妻が頻繁に起こったかと思うと、妖狐の屍は大きな石にと変ってしまった。
石と化した妖狐の怨念は数百年後も石に宿り怨念は残り毒気を放ち、石に近づく人間やケモノ、石の上を飛ぶ鳥さえも悉く死に至らしめたので、人々はこの石を「殺生石」といって恐れおののいた。

かくも九尾の狐は恐ろしい。(完)

百鬼夜行夜話 011「九尾の狐 04」片山通夫

神鏡

再び中国に話は戻る。武王より12代後の幽王の時代に王に献上された褒似(ほうじ)という絶世の美女がいた。彼女は一切笑うことがなかった。ある日非常時の召集を告げる烽火が誤ってあげられ、意味もなく集まってきた諸侯たちの滑稽な姿を見て褒似は笑顔を見せた。そのため幽王はくりかえし無意味に烽火をあげ諸侯を集めて褒口を笑わせたが諸侯たちの不満は募っていった。そして不満が募った一部の諸侯と幽王の元妻の申后の一族と北方の異民族、犬戒(けんじゅう)の連合軍が反乱を起こした。幽王は烽火をあげて召集をかけたがどうせいつもの嘘だろうと諸侯たちは集まらず結局幽王は処刑され、褒似は姿を消した。

 

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