百鬼夜行夜話 018「鵺の鳴く夜は恐ろしい 02」片山通夫

京都二条城の北側にある鵺池。頼政が鵺を退治した時にその矢じりを洗った。

ひょうひょうと深夜に鳴く鵺は天皇を悩ませた。そこで時の天皇は源頼政に銘じて二度鵺退治をしていた。一度目は近衛天皇の時、毎夜、丑刻になると東三条の森の方から、
黒雲が沸き立って御所を覆い、鳥の鳴くような奇妙な声が。退治を命じられた頼政は 「南無八幡大菩薩」と祈りながら矢を放つと、
鋭い叫び声ととに落ちてくる怪鳥を、家来の猪早太(いのはやた)が
さっと走り寄り取り押さえてとどめを刺した。

二度目は二条天皇が宮中で鳴く鵺に悩まされ、先例に従って頼政が召されましたが、鵺は一声鳴いただけで闇の中に潜んだ。
頼政は射ると矢先から大きな音がする鏑矢(かぶらや)を放ち、その音に驚いた鵺の鳴き声で所在を確かめ見事に射落としたという。(この項続く)