百鬼夜行夜話 011「九尾の狐 04」片山通夫

神鏡

再び中国に話は戻る。武王より12代後の幽王の時代に王に献上された褒似(ほうじ)という絶世の美女がいた。彼女は一切笑うことがなかった。ある日非常時の召集を告げる烽火が誤ってあげられ、意味もなく集まってきた諸侯たちの滑稽な姿を見て褒似は笑顔を見せた。そのため幽王はくりかえし無意味に烽火をあげ諸侯を集めて褒口を笑わせたが諸侯たちの不満は募っていった。そして不満が募った一部の諸侯と幽王の元妻の申后の一族と北方の異民族、犬戒(けんじゅう)の連合軍が反乱を起こした。幽王は烽火をあげて召集をかけたがどうせいつもの嘘だろうと諸侯たちは集まらず結局幽王は処刑され、褒似は姿を消した。

 

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