「百鬼夜行夜話 014」片山通夫

一条戻り橋

話は京都へ戻る。いささか百鬼や妖怪とは違うが結構有名なのが一条戻り橋のエピソード。

簡単にそのエピソードをウイキペディアから紹介したい。

「戻橋」という名前の由来については『撰集抄』巻七で、延喜18年(918年)12月に漢学者三善清行の葬列がこの橋を通った際、父の死を聞いて急ぎ帰ってきた熊野で修行中の子浄蔵が棺にすがって祈ると、清行が雷鳴とともに一時生き返り、父子が抱き合ったという。
他にも様々なエピソードがある。一番最近では先の戦争に駆り出された兵士がこの橋をわざわざ通ってから出征したという話も残っている。無事に戻ってこれるようにと・・・。   また『平家物語』剣巻によると、源頼光の頼光四天王筆頭の渡辺綱が夜中に戻橋のたもとを通りかかると、美しい女性がいた。まあたいていこんな場合は美女だ。
夜も更けて恐ろしいので家まで送ってほしいと頼まれた。綱はこんな夜中に女が一人でいるとは怪しいと思いながらも、それを引き受け馬に乗せた。すると女はたちまち鬼に姿を変え、綱の髪をつかんで愛宕山の方向へ飛んで行った。綱は鬼の腕を太刀で切り落として逃げることができた。腕は摂津国渡辺(大阪市中央区)の渡辺綱の屋敷に置かれていたが、綱の義母に化けた鬼が取り戻したとされる。
げにも恐ろしい話が伝わっている一条戻り橋。