百鬼夜行夜話 002 「魑魅魍魎が跋扈」片山通夫

東山区の「六道の辻」。

平安時代に魑魅魍魎が都大路を跋扈したという背景を調べてみた。

庶民の服装は古墳時代を引き継ぐ質素な服装だったようだ。住居もいわゆる竪穴式住居。まるで縄文時代の家と変わらない住居だった。 このような時代背景では無論夜は都と言えども真っ暗。源氏物語に描かれているような「光源氏の夜遊び」なんぞは夢のまた夢だったのではないかと思われる。勢い妖怪変化が出没し、百鬼夜行の夜となったといっても過言ではない。およそ妖怪変化は人々の恐れが具体化する、具象化する表れだと思うのだ。大江山の酒呑童子はいわゆる山賊だったのかもしれないが、人々の心、特に貴族や富める者たちにとっては恐ろしい相手だったのかもしれない。

しかしこう分析しては面白くもなんともない。やはりここは摩訶不思議な現象で人々を惑わし、恐れさせる存在でなくては陰陽師の出番もなくなる。