原発を考える《いつまでごまかすのだ?》山梨良平

1986年4月25日事故を起こした4号炉 写真 片山通夫

あれから10年半経った。国と東電は福島第一原発の廃炉を事故から30~40年後の2041~51年に完了させるとの目標を変えていない。本当に可能なのか?例えば東電は昨年12月、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しについて、目標にしていた21年末までの開始を断念する方針を明らかにした。このままズルズルと引き延ばしにかかったら、国や東電への信頼はなくすことになる。10年も経ったのだ。そろそろ「正直に」状況を国民、とりわけ福島県民に丁寧な説明が必要だと思うのだが。それが国や東電に対しての信頼に繋がる。
今のまま情報を隠して、どうにもならなかった時に初めて「実は」と少しづつ報告するようでは、全く信頼というモノを持つことは出来ない。現在廃炉作業はた日本原電東海発電所(茨城県東海村)と中部電力浜岡原発1、2号機(静岡県御前崎市)は原子炉周辺設備の解体作業に入っている。しかし東海が30年、浜岡は28年かかる予定。大事故を起こした福島が3~40年とは到底信じられない。まさか、結局チェルノブイリのような石棺もしくはシェルターをかぶせるしか方法がないというのか?

そろそろ「事実を国民に伝えよ」と思うし「正直になれ」と強く要求したい。