原発を考える《犠牲強要の汚染処理水海洋放出》文 井上脩身

福島第1原発の敷地いっぱいに並ぶ汚染処理水貯蔵タンク(ウィキベテアより)

岸田文雄首相は衆院選で与党が過半数の議席を獲得したのを受け、安倍政権が行ってきた原発政策を進める方針を明らかにした。当然、前政権時代の課題も岸田政権の肩にのしかかるが、そのひとつは福島第1原発の汚染処理水問題だ。菅政権下の2021年4月、2年後をメドに海洋放出することに決定しており、岸田首相は自らの政権下で放出を実施するものとみられる。しかし、放出される放射性物質トリチウムの危険性を指摘する声は根強くあり、地元漁業者は風評被害を懸念、あくまで反対のかまえだ。そもそも原発事故が起きたから処理水問題が出現しでたのである。事故で地元漁業者に塗炭の苦しみを押し付け、さらに処理水放出で少なくとも風評被害を及ぼすというであれば、理不尽な犠牲強要施策というほかない。 “原発を考える《犠牲強要の汚染処理水海洋放出》文 井上脩身” の続きを読む