原発を考える《原発を止めた裁判官》文 井上脩身

「住宅より耐震性低い」と指弾

樋口英明著『私が原発を止めた理由』(旬報社)の表紙

 2014年に大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決を言い渡した元福井地裁裁判長の樋口英明さんが3月、『私が原発を止めた理由』(旬報社)を上梓した。樋口さんが全国各地で行ってきた「原発即時ストップ」を訴える講演内容をまとめたもので、原発が地震にいかに脆弱であるかが、きわめて平易に解説されている。判決は高裁で覆されたが、樋口さんの地震動に関する分析は司法内部に浸透、昨年12月、大阪地裁が同3、4号機についての国の設置許可を取り消す判決を下すことにつながった。樋口さんは「原発の耐震性は一般住宅より低い」と指摘する。福島事故を経験したにもかかわらず、この国では信じがたい事がまかり通っているというのである。 “原発を考える《原発を止めた裁判官》文 井上脩身” の続きを読む