びえんと《写真と絵で見る昭和の子ども》文 Lapiz編集長 井上脩身

私ごとで恐縮だが、3年前、自分の子どものころの思い出をエッセーふうの童話にしてみようとおもいたった。書きだすと、挿し絵をつけたくなった。となると、そのころの子どもの遊びや風俗、都会や田舎の景色を知る必要がでてきて、10冊余りの本をかいこんだ。これらの図書の記述や写真が、すっかり忘れていた記憶を呼び覚ましてくれ、私なりに「昭和の子ども」という概念ができあがった。その概念が最近、ガツンとくずされた。『小学生が描いた昭和の日本』(写真左)という本に触れたからである。「児童画500点 自転車をこいで全国から」という副題の通り、一人の青年が全国をかけまわって集めた児童の絵が収録されたもので、今年1月、石風社から刊行された。昭和とは何か。本のページを繰りながら、私は考えこんでしまった。 “びえんと《写真と絵で見る昭和の子ども》文 Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む