編集長が行く《社会的欲求不満の暴発か?》文・写真 Lapiz編集長 井上脩身

クリニック放火殺人事件犯の動機を探る

現場周辺の上空写真(2021年12月18日付毎日新聞より)

2021年12月17日、大阪市の心療内科クリニックで放火され、クリニックの院長(49)や患者ら25人が死亡する悲惨な事件が起きた。容疑者の男T(61)は死亡し、犯行動機は永遠のナゾである。現場は以前私が勤めていた会社のすぐ近くにあり、毎日のようにクリニックが入っている雑居ビルの前を通っていた。事件の数日後、現場を訪ねた。クリニックを覗くことができれば、動機をうかがわせる何らかのヒントがあるのでは、と思ったからである。だがビルの入り口は青いシートで覆われており、捜査関係者以外は中に入れない。何か手がかりはないかと調べてみると、東京のある心療内科医がコロナ禍のなかの人々の心理的不安について、マズローの欲求5段階の欠如を指摘していることがわかった。 “編集長が行く《社会的欲求不満の暴発か?》文・写真 Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む