怒りを込めて振り返れ!《ヒロシマ・サミット》一之瀬明

G7サミットという世界の裕福国と自認する国の祭りが終わった。舞台はヒロシマ。なんでも今年の議長国である日本の首相の選挙区なのだそうだ。つまりG7サミットという祭りの舞台装置に自分の選挙区を抜け目なく利用したわけだ。そして広島はあのヒロシマでありそこに原爆を落とした米国の大統領も参加した。

せっかくのヒロシマであり、不幸なことにロシアという核保有国が隣国ウクライナに侵攻している最中のG7サミットなのだから、軍事侵攻をやめるようロシアに働きかけるなり、中国や第三国の仲介を提案するなりすればいいのに、私から見たら「寄ってたかってロシアを糾弾し」ウクライナ大統領を遠い日本に呼び寄せて「お前は悪くない、喧嘩の武器をもっと支援するから思う存分戦って来い!」と言わんばかりの一部始終だった。

一方、せっかくのヒロシマなのだからと慰霊碑に厳粛な表情で献花し、資料館を訪れた首脳たちだが、展示品などを前にどのような表情を浮かべたのかも、完全非公開だったのでまったくわからなかった。「G7首脳に被爆の実相を見てもらう」とは岸田首相の減だったが。また肝心の核軍縮に向けた声明「G7首脳広島ビジョン」について「新しい内容がなく期待外れ」だったと国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のダニエル・ホグスタ暫定事務局長。

つまり筆者に言わせると「なんでヒロシマやねん!」であり、首相の選挙区だからか?と言いたくもなるわけだ。」