連載童話《のん太とコイナ[天の川]#1》文・画 いのしゅうじ

 1)天の川
ここはアカダ川のていぼう。男の子が寝そべっています。
男の子はのん太、小学四年生。ほんとうの名前は則夫。
のん太は学校でいやなことがあると、通学路のアカダ川の橋からていぼうに下り、あおむけになってぼおっと空をながめます。そうしてると、学校でのことを忘れられるのです。
のん太を見て、だれかが「のんびりのん太」とからかいました。それからは、友だちだけでなく、お父さんまで「のん太」とあだ名で呼ぶようになりました。
その父さんのお気に入りはアカダ高校のタイコえんそう。「高校生ばなれのうで」といいます。
こどもの日、アカダ川では毎年「こいのぼりフェスタ」が開かれます。
フェスタの一番の呼びものはアカダ高校のタイコえんそう。
なので、お父さん、お母さん、妹の一家四人で、河原でお弁当を広げるのが、のん太の家のこども日のならわしです。
今年も、家族でフェスタに行きました。千びきのこいのぼりが、気もちよさそうに泳いでいます。