22年夏号Vol.42 びえんと《語り部になったアウシュビッツ生還者》井上脩身

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの強制収容所に送りこまれながら生き延びたウクライナ人の男性(96)が、ロシアの攻撃で死亡したことが3月21日に発表された。たまたま私は『アウシュビッツ生還者からあなたへ――14歳、私は生きる道を選んだ』を読み終えたところだった。強制収容所から生き延びたイタリアの終身上院議員、リリアナ・セグレさんが語った体験を、中村秀明・元毎日新聞副論説委員長が翻訳し岩波ブックレストとして刊行されたのだ。戦後77年。ロシアのプーチン大統領が行うウクライナ戦争の惨状をみると、強制収容所が決して昔話ではない恐ろしさを禁じ得ない。 “22年夏号Vol.42 びえんと《語り部になったアウシュビッツ生還者》井上脩身” の続きを読む