びえんと《マラリアの山に追いやられた八重山の人たち》文・Lapiz編集長 井上脩身

~日本軍の戦争犯罪を絵で告発~
 戦時中、「避難」と称して、日本軍が住民をマラリアが流行する山中に追いやっていたことを、最近『絵が語る八重山の戦争』(写真右)という本で知った。住民の半数以上がマラリアにかかり、4分の1が死亡した。戦後、将校の宿舎からマラリアの特効薬、キニーネがつまった袋が発見された。軍は住民にマラリアの恐怖を強いながら、自らは罹患の恐れのないところにいて、かつ我が身を守る手立てをしていたのである。沖縄戦ではガマに逃げた住民を軍が追い出した例はあまたあるが、八重山では住民をハマダラ蚊の襲撃のなかにさらしていたのだ。 “びえんと《マラリアの山に追いやられた八重山の人たち》文・Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む