原発を考える。《全電源喪失した海外の原発 ~過去の事故例から見る重大責任~》井上脩身

福島第1原子力発電所の事故から間もなく10年になる。この間、国も東京電力も刑事上何ら責任を問われることがなかった。裁判で国、東電の責任がないとされたのは、「巨大津波による全電源喪失は想定外」という主張が認められたからだ。私はLapizの「原発を考える」シリーズのなかで、東電内部でも15・7メートルの津浪予測をしていた事実があることから、少なくとも東電幹部には巨大津波を予見できたはずで、明白に刑事上の過失責任がある、と述べてきた。最近、こうした将来の津浪予測だけでなく、過去にも海外の原発では洪水などによって全電源が喪失する事故が起きていたことを知った。国や東電がこの事実を知らなかったはずがない。「想定外」は明白にウソなのである。事故10年の節目を機に、改めて国と東電の責任を問い直さねばならない。 “原発を考える。《全電源喪失した海外の原発 ~過去の事故例から見る重大責任~》井上脩身” の続きを読む