Opinion《NHKの安倍報道》山梨良平

NHKに岩田明子という記者がいる。なんでもNHK政治部記者兼解説委員だそうだ。たまたま筆者はテレビで天皇陛下の即位を祝うパレードである「祝賀御列(しゅくがおんれつ)の儀」を見ていた。もちろんテレビはNHKだった。政府発表では沿道に約11万9000人がお祝いしたとある。 しかしNHKはそのパレードの「解説者」に政治畑のはずの岩田明子が宮内庁担当記者を差し置いて「解説」していた。

「前回(1990年)のパレードで(当時の)海部総理は車の窓を閉めていましたが、今回、パレードをサポートする立場の安倍総理は、できるだけ沿道の人たちに近い立場でともにお祝いをしたいと考え、車の窓を開けることにしました」

海部元首相が窓を閉めていたのは寒いからでもないと思う。今日の主役はあくまで両陛下だという慎みから来た考えだろうと思う。
でしゃばる安倍もそうだが、それをいさめようとしない岩田明子も礼を失していると感じだ。

そして昨20年12月25日、安倍が国会で桜疑惑の言い訳をしている最初の15分ほどで中継は切りあげられて、岩田明子が長々としゃべっていた。

そして巷の声は・・・。

《安倍の会見も大概だが、それに輪をかけて酷かったのが、安倍応援団の岩田明子だ。腐ったご飯に腐ったおかずを付けたランチを目の前に出された気分》

《内容スッカスカの、安倍晋三氏と政治部記者の茶番劇、NHKはたった15分で生中継を打ち切った。即座に、安倍晋三親衛隊長の岩田明子氏が、批判的視点ゼロの完全安倍目線の「解説」で、受け手の印象を誘導。
腐敗の一部と化したNHKニュースや大手新聞テレビの政治部記者には、もう何も期待できない。》

こうして考えてみると、NHKやその中にいる岩田明子、そして広くマスコミがいわゆる「忖度報道」にうつつを抜かしている間に、市民はインターネットを駆使して「ありのままの事実」を探すことができる。国会の場合、ほとんどインターネット中継を「忖度なし」で見ることができる。それを引用し、論評を加えれば、立派な政治報道だ。

フェイスブックやツイッター、それに独自に立ち上げたホームページやブログ、それにメールマガジンは立派なツールとなっている。考えようによってはNHKよりも人の心に食い込むことの出来るツールだ。ある意味それも怖いが、緊張感が良い。
岩田明子のような忖度記者よりも。
参考 岩田明子